【大手企業限定】社長の年収ランキング!トヨタ自動車の社長は何位?
企業のかじ取りを任されている社長ともなれば、その年収はしかるべき額を受け取るべきでしょう。
事実、2015年の役員報酬額の平均を調査したデータによると、社長の平均報酬額は3476万円と高額になっています。
これが大手企業ともなると、さらに高額な報酬を受け取っていることが予想されます。
特に、その業界のトップクラスの年収や総資産は気になるところです。
そこで今回は、日本の自動車業界を牽引するトヨタ自動車社長・豊田章男氏をピックアップします。
年収、そして、世界への影響力はどれくらい高いのでしょうか。
Contents
トヨタ自動車とは
トヨタ自動車は、自動車メーカー最大手クラスの大手企業です。
2016年上半期の世界販売台数において、ドイツのフォルクスワーゲンに次いで第2位となっています。
2016年の生産台数は国内・海外合わせて実に約1020万台を誇っています。
さらに総資産はおよそ47兆円で、国内の総資産ランキングでも日本郵政に次いで第2位です。
次にトヨタ自動車の歩みを見てみると、自動車メーカーとしての創始者は、現社長の豊田章男氏の祖父にあたる豊田喜一郎氏です。
さらにさかのぼってトヨタグループの礎を築いたのは、喜一郎氏の父である豊田佐吉氏となります。
その始まりは、繊維の自動織機の開発・製造を行う豊田自動織機製作所でした。
一方、喜一郎氏は、日本における自動車業界の動向が不透明な中、豊田自動織機製作所内に自動車部門を設立。
1937年には、トヨタ自動車工業としてスタートすることになるのです。
当時は、国産車を生産することは困難を極めましたが、見事に日本独自の生産方法を確立するに至っています。
その後、増え続ける自動車への需要に対応すべく、量産体制を整えることになります。
月産1万台突破を目標にし、1959年に当時取締役であった豊田章一郎氏(豊田章男氏の父)を筆頭に、元町工場を設立しました。
同年には、最初は無謀とも思われた月産1万台を達成します。
日本はちょうど高度経済成長の時期に突入し、個人の所得が増えたことから自動車への需要もますます高まっていきました。
トヨタ自動車は、この時代の自動車業界の成長を支えてきた企業の1つといえるでしょう。
1982年には、工業部門のトヨタ自動車工業と販売部門のトヨタ自動車販売が合併し、新体制となってスタートを切りました。
この時、トヨタ自動車工業の社長であった豊田章一郎氏が、双方の社長を兼任するという形になっています。
これをきっかけとして、トヨタ自動車は、さまざまな新車種を発表し続けます。
自動車業界でのシェアを伸ばし、海外にも生産拠点を作ってグローバル化を急速に進めていきました。
バブル崩壊を迎えた後も、豊田章一郎氏は会長として会社を支え、見事に再生させています。
しかし、2008年に起こったリーマンショックに伴い、会社は大幅な営業赤字を出し、トヨタ自動車は最大の危機に直面します。
いわゆるトヨタショックと呼ばれるものです。
そんな中、2009年社長に就任したのが豊田章男氏です。
章男氏を社長とした新体制のもと、金融危機や製品の品質問題などを切り抜けるために、車種のラインナップを充実。
さらに社内の体制にもテコ入れを行い、立て直しに成功しました。
現在では、トヨタブランドからカローラやプリウスなど多くの主力車種、高級車ブランドとしてレクサスを展開しています。
多くの人のニーズに応える自動車作りを進めてきた結果、国内外で幅広い層の支持を獲得しているのです。
現トヨタ自動車社長「豊田章男」の経歴
では、トヨタ自動車の現社長である豊田章男氏の経歴について見ていきましょう。
学歴
豊田章男氏は、慶応義塾大学法学部を卒業した後、単身アメリカに渡りました。
そして、アメリカで独自の教育法によりビジネスを教えるバブソン大学経営大学院に入学・修了し、経営学修士(MBA)を取得しています。
経歴
バブソン大学経営大学院を修了した章男氏は、アメリカの投資銀行に入社し、金融業界で活躍。
その後、帰国して1984年にトヨタ自動車に入社しています。
その中で、生産管理や営業などの業務を経験し、自動車の情報サイト「GAZOO.com」の運営などに着手。
また、アメリカの自動車メーカー・ゼネラルモータースと合弁会社NUMMIを設立して副社長に就任しています。
2000年には、トヨタ自動車の取締役に就任。
その後、営業部門の効率化や中国事業への着手などを経て、2005年に副社長となりました。
こうした経歴を経て、営業赤字から回復するためのかじ取りを任されるべく、2009年にトヨタ自動車の社長に就任し、現在に至。
家系
豊田章男氏の家系をさかのぼると、まずトヨタグループの始祖であり、豊田自動織機製作所の創始者である豊田佐吉氏は曾祖父です。
また、トヨタ自動車創始者である豊田喜一郎氏が祖父、第6代社長で現在は名誉会長である豊田章一郎氏が父にあたります。
このように見ていくと、章男氏は佐吉氏からの直系であり、創業家の直系としては、4代目の社長です。
大企業社長の年収ランキング
ここからは、豊田章男氏を含めた日本の大企業の社長が、どれだけの年収を受け取っているのかを見てみましょう。
このデータは、2016年3月期決算上場企業の「役員報酬1億円以上開示企業」に基づいています。
調査については、3月期決算において有価証券報告書を提出した上場企業が対象です。
そして、こちらが上位20人のランキングです。
氏名 | 企業名 | 報酬総額 | |
1位 | ニケシュ・アローラ | ソフトバンクグループ | 64億7800万円 |
2位 | ロナルド・フィッシャー | ソフトバンクグループ | 20億9600万円 |
3位 | 大西通義 | アオイ電子 | 11億6800万円 |
4位 | カルロスゴーン | 日産自動車 | 10億7100万円 |
5位 | 岡田和生 | ユニバーサルエンターテインメント | 9億4800万円 |
6位 | クリストフウェバー | 武田薬品工業 | 9億500万円 |
7位 | ジョン・ドメ | 日立製作所 | 9億円 |
8位 | 平井一夫 | ソニー | 7億9400万円 |
9位 | 三津原博 | 日本調剤 | 7億3700万円 |
10位 | ロジャー・バーネット | シャクリー・グローバル・グループ | 7億3400万円 |
11位 | ディディエ・ルロワ | トヨタ自動車 | 6億9600万円 |
12位 | 稲葉善治 | ファナック | 6億9000万円 |
13位 | 富士本淳 | ユニバーサルエンターテインメント | 6億8300万円 |
14位 | 金川千尋 | 信越化学工業 | 6億1600万円 |
15位 | 毒島秀行 | 三共 | 5億6800万円 |
16位 | 藤森義明 | LIXILグループ | 5億2400万円 |
17位 | リチャード・イーシュナイダー | ファナック | 4億6800万円 |
18位 | 山口賢治 | ファナック | 4億5700万円 |
18位 | 内田裕之 | ファナック | 4億5700万円 |
18位 | 権田与志広 | ファナック | 4億5700万円 |
上位に外国人の役員が多数ランクインしているのがわかります。
トヨタ自動車の副社長であるディディエ・ルロワ氏も入っていますが、社長である豊田章男氏は上位20人にも入っていません。
これは、豊田章男氏の報酬総額が3億5100万円で31位と、順位としてはあまり振るわないためです。
副社長のルロワ氏の報酬総額6億9600万円に比べて、社長である章男氏の報酬は半分近くしかありません。
このように、外国人役員の報酬が高いのには、昔と比べて役員報酬の仕組みに変化が出ていることが考えられます。
企業の役員は、プロ経営者として海外からヘッドハンティングで迎え入れることが多くなり、その報酬として高額を積む市場が広まっているのです。
一方で、日本人の役員報酬については、社員の時の給与体系を踏襲していることが多いようです。
社員時代の給与を基準とし、そこからどれだけの金額を加算するかという方法で役員報酬が決められることが多いとみられます。
このような理由から、外国人役員と日本人役員の間に報酬額の差が生まれています。
ちなみに、日産自動車会長のカルロスゴーン氏が受け取っている報酬の全額は、トヨタ自動車の全役員の報酬を上回るとされています。
ゴーン氏は、日産のほかにフランスの自動車メーカー・ルノーの会長も兼任しており、この2社からの役員報酬は、実に19億円超にも上るためです。
2016年 世界に最も影響力のある人物として「豊田章男」が29位に!
豊田章男氏は日本国内、また自動車業界のみに影響を与えているわけではありません。
その影響力は世界全体に及びます。
アメリカの経済雑誌「フォーブス」で発表された「世界で最も影響力のある人物ランキング」で、章男氏は堂々の29位となっています。
この順位は、日本人としてはトップです。
ちなみに、日本のリーダーである安倍晋三首相が同じランキングで37位、日本経済を支える日本銀行の黒田東彦総裁が47位。
この並びを見ると、章男氏の影響力がいかに大きなものであるかがうかがえます。
こうした各方面への影響力を裏付けるように、章男氏は、自動車作りについて独自の思想を展開しています。
例えば、ハードとしての自動車だけではなく、多くの人が楽しめる自動車の使い方というソフト面の充実にも尽力しています。
また、昨今叫ばれる若者の車離れに対し、自動車メーカー自体が自動車から遠ざかったという思想は、自動車業界全体を揺るがせました。
こうした柔軟な発想の転換や、実際に自動車に乗る人に即した製品作りが、トヨタ自動車の成長を支えていると考えられます。
そして、実際にその方針を打ち出し、成果をあげている章男氏の力は絶大なものなのです。
最後に
ここまで、トヨタ自動車社長・豊田章男氏の経歴や社長就任の背景、年収などについて触れてきました。
年収はトップ20に入らず、副社長が社長の収入を上回っているという意外なデータも出てきましたが、2009年の赤字経営を立て直した張本人でありながら、個人年収については、二の次といった懐の深さを感じるような情報でもありました。
トヨタブランドが色あせないのは、自動車を愛する社長・豊田章男氏が大きく影響している気がしてなりません。
- 豊田章男氏は自動車業界のトップを走るトヨタ自動車を危機から救い、さらなる成長を促した立役者である
- 豊田章男氏は創業家の直系としては4代目の社長である
- 2016年日本企業の社長年収ランキングでは意外にも第31位
- その理由は海外からプロ経営者としてヘッドハンティングした場合は高額な報酬を積む市場が広まっているため
- 豊田章男氏は世界に影響力をおよぼす人物として世界的な評価を得ている