【日経平均株価とは】リアルタイムチャートが表すのは日本の景気?
最近日本の景気は上昇傾向にあるといわれていて、新卒の就職率が例年より高水準を記録しています。
しかし果たして本当に景気が良くなっているのか、日本国民には分かりません。
日経平均株価を見ると日本の景気は着々と上昇しており、去年の秋以降では、証券市場で16営業日連続で株式相場が上昇して終値を更新しています。
ここで気になるのが、普段の生活では見ることのできない景気が上昇してるか下落してるか調べる方法です。
それは、日本の株式指標の1つである「日経平均株価」を見ると分かります。
そこで今回は、東京株式市場を見る上で大切な指標である「日経平均株価」の解説や算出方法、なぜ日経平均株価のチャートを見ると景気が分かるのかについて紹介しましょう。
Contents
日経平均株価とは
日経平均株価とは、日本経済新聞社が東証一部(東証は東京証券取引所の略)に上場している企業を独自の基準で、採用銘柄した平均株価です。
採用銘柄は、現在225銘柄あり新聞やニュースでいわれている日経平均株価は、日本経済新聞社が選んだ銘柄限定のため、決して東京株式全体の平均ではありません。
1950年からは、東京証券取引所が平均を算出していましたが、1970年からは日経グループに引き継ぎ現在は15秒間隔で算出されてます。
日経平均株価は、株式投資をしている投資家の間では、当たり前のように使われているので、株式投資を始めようとしている個人投資家は覚えておきたい指標です。
日経平均株価の算出方法とは
日経平均株価について説明しましたが、投資家になりたての人は、指数(値)がどうやって算出しているのか分からない人がいるかもしれません。
値の算出には大きく分けて2つの手順が必要です。
①みなし額面
②除数
1つずつ分かりやすく説明します。
みなし額面
額面は会社が設立して株式を発行したときの、1株の値段のことを指します。
50円・500円・5万円という設定になっていて、それぞれの企業のリリース日によって額面は異なります。
そのため、額面を全部足して割ると正確な平均値を出すことができないため、額面を統一してから算出していました。
2001年に商法改正に伴い額面制度が廃止になりましたが、「額面とみなして」算出しているので、現在は額面といわれておらずみなし額面という用語が使われています。
分かりやすく説明すると、廃止後も仮の額面が存在するといった認識で構いません。
計算方法は、企業毎にみなし額面は異なるため、必ず50円で割って計算しましょう。
(例)株価×(50円÷みなし額面)=換算額
除数
除数は、米国のダウ・ジョージ社が取り得ているダウ式平均株価で、米国株でも採用されています。
日本では日経平均株価を計算する時に使われています。
一般の方は、225採用銘柄の株価をすべて225で割れば平均がでると勘違いされていますが、それは単純平均の計算式です。
単純平均での計算では、増資や減資、新株落ち、銘柄の入替えなどの特殊な影響による株価の上下を含むことができません。
それを修正するために、新たな計算式を加える必要があります。
分かりやすく説明すると日経平均株価の採用銘柄が、全て値が10000とした場合、そのときの除数は「22,5」です。(採用銘柄が225のため)
(例)✖
10000(採用銘柄株価合計)÷225(採用銘柄数)=単純平均株価
これでは単純平均株価になるため、ダウ式平均株価に修正します。
修正する箇所は、採用銘柄数のところです。
(例)〇
10000(採用銘柄株価合計)÷22,5(除数)=ダウ式平均株価
ちなみに一部の株価は、そのまま用いるのではなく、みなし額面で50円換算する必要があります。
日経平均株価を構成する225銘柄とは
日本経済新聞社が採用している225銘柄について説明します。
定期入れ替えと臨時入れ替え
日経平均株価はずっと同じの銘柄ではなく、年に1回10月の頭に構成銘柄の入れ替わりがおこなわれています。
このことを「定期入れ替え」と呼びますが、銘柄入れ替えがおこなわれない年も場合によってはあります。
銘柄入れ替えの一例として2017年には、北越紀州製紙と明電舎が除外されてリクルートホールディングスと日本郵政が採用されました。
また、構成銘柄に上場廃止や合併や指定替え(市場が変わること)が起こると、急遽入れ替えがおこなわれる場合もあります。
過去には、不祥事のニュースが東芝に起こったことで東証2部に指定替えになり、東芝が除外されて、エプソンが10月を待たずに8月に入れ替えがおこなわれました。
このように10月に待たずに入れ替わることを「臨時入れ替え」といいます。
225銘柄を構成する企業の特徴
日経平均株価は世界中の人が見ています。
そこで225銘柄の特徴は、海外の人にもおすすめできる信頼の厚い企業のため、有名な上場銘柄が多いです。
とくに海外(又は日本)の投資家・投資信託を利用している人は、225銘柄の内の1つに投資している可能性が高いといえます。
もし誰も知らない企業を構成してしまうと、警戒するので誰も株を買おうとしなくなります。
日経平均株価の値は、日本だけではなく海外の投資家の影響も大きいので、海外や日本の投資家が、225銘柄に投資を一切しなくなると株価は下落することになります。
その場合、円相場や東京外国為替市場にも影響して、円高になる可能性が出てきます。
逆に有名な企業を構成していると投資家から信頼されるので投資されて、株価が上昇して為替も影響されないため、225銘柄は有名な企業を採用していると考えられます。
様々な業種からバランスよく選ばれている
単純に有名な企業や株価が高い企業だけを225銘柄に採用すれば、業種に偏りが出てしまうかもしれません。
そのため、以下のように大きく6つの分野に分け、さらに38種類に細分化された業種毎にバランスよく選ばれています。
技術 | 医薬品・電気機器・自動車・気密機器・通信 |
金融 | 銀行・その他金融・証券・保険 |
消費 | 水産・食品・小売業・サービス |
素材 | 鉱業・繊維・パルプ・紙・科学・ゴム・窯業・鉄銅・非鉄・金属・商社 |
資本財・その他 | 建設・機械・造船・輸送用機器・その他製造・不動産 |
運輪・公共 | 鉄道・バス・陸運・海運・空運・倉庫・電力・ガス |
例えば技術の医薬品の企業が除外された場合は、技術の医薬品関係の企業を選抜して、さらに有名で信頼できる企業を選び、日本経済新聞社の独自の目線で入れ替えをおこないます。
225銘柄は業種ごとにバランスよく構成されます。
日本の景気はリアルタイムチャートを見れば分かる?
ここからは、なぜ日経平均株価を見ると日本の景気が判断できるのか解説していきましょう。
影響力を表す「寄付度」
日経平均株価のチャート線は株式分割の情報や企業の傾向などは分かりますが、日本の景気が何%台に上昇したのか・何%台に下落したのかまでは判断ができません。
例えば、建設業界の景気を調べるとすると、大手建設会社のゼネコン(大成建設・清水建設・鹿島建設・大林組)の過去1年間のチャートと日経平均株価の過去1年間のチャートを見ると同じではありません。
なぜ同じでないのかというと、日経平均株価の弱点である「寄付度」の影響です。
寄付度が高い企業が日経平均株価に影響されていて、その企業に何か起こると影響を受けることになります。
先程のゼネコンは、寄付度が低いので日経平均株価にあまり影響されず、例えオリンピックがあるから建設業界は盛り上がっていると予想しても、日経平均株価を見るだけでは景気は分かりません。
そのため、日本の景気を見るときはSBI証券や岡三オンライン証券などが提供しているチャート線ではなく、外国為替市場で円相場を見て日本の景気を判断しましょう。
円の価値を見ている方が、日本の景気がよく分かります。
日経平均株価はあくまでも参考程度に
日経平均株価を見ても正確な景気は判断できません。
そのため、参考程度と考えておきましょう。
しかし日経平均株価は、投資を始めようとしている人は、必ずチェックしないといけない指標でもあります。
とくに、先物取引(日経225先物取引)・信用取引をする方は、必ず目を通して投資をしましょう。
2つの取引の共通点は、ハイリスク・ハイリターンそして未来が前提の投資のため、慎重にならないと確実に損出が出ることです。
ここで活躍する指標が日経平均株価となります。
日経平均株価を見ると投資する企業の株価が見れるので、先物取引・信用取引で投資する際には役に立つ指標となります。
その他の投資にも日経平均株価は使えることができるので、初心者の方は小型株から始めてみるのがおすすめです。
- 日経平均株価は1950年から「東京証券取引所」が算出していた
- 日経平均株価は1970年から「日本経済新聞社」が算出している
- 計算方法は「みなし額面」と「除数」で計算する
- 225銘柄の銘柄は毎年1回10月に入れ替わるが臨時で入れ替わることもある
- 日経平均株価は海外からの注目も高いため有名企業や信頼できる企業が多い
- 景気を判断する時に日経平均株価では判断が難しいが投資をする人は判断材料になる