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あなたの土地・家屋にかかる税金はいくら?固定資産税かんたん計算法

春は税金の季節とよくいわれますが、その税金の1つが固定資産税です。

マイホームなどの不動産をお持ちの方は、既に今年度の納税通知書納付書が届いている人も多いでしょう。

 

個人が納付する税金として多額になる固定資産税ですが、明細書を見てもたくさんの数字が並んでいて、いまいち意味がわからないという方も少なくありません。

 

今回はそんな方のために、固定資産税の計算方法をわかりやすく解説します。

 

固定資産税は自分で計算できる?

 

固定資産税は、該当の不動産が所在している市区町村から課される税金のことです。賦課課税制度といわれ、市区町村で税額が計算され、所有者に通知されます。

 

固定資産税は数万円、数十万円になる場合もあるにもかかわらず、多くの人はその通知された税額をそのまま支払っているのです。

自分では確認しようがない、計算がむずかしそうなどの理由から、なんとなく支払っている人も多いでしょう。

 

しかし、実は固定資産税の計算は、それほどむずかしいものではありません。

計算式に表すと次の通り単純であり、自分で十分計算できるレベルの税金です。

 

■計算式

固定資産税課税標準額×1.4%(※)

※標準税率ですが、市区町村によってはこれ以外の税率であるところもあります。

 

評価額を算出する

固定資産税は、「固定資産税課税標準額」に税率を乗じることで算出されます。

課税標準額に似たものとして「固定資産税評価額」がありますが、これは課税標準額の元になる金額。固定資産評価基準に基づき地方自治体により決定される金額です。

 

固定資産税評価額は、その土地が接している道路の固定資産税路線価に、面積によって算出され、3年に1度評価替えが行われます。ちなみに2018年は評価替えが行われる基準年度。新たな評価額に変更されます。要するに固定資産税課税標準額は、固定資産税路線価により計算された固定資産税評価額に、土地(とくに住宅用地)にかかる特例措置や負担調整措置が考慮された額です。

 

課税の対象範囲は?

固定資産税は、「土地」「家屋」「償却資産」が課税対象。

償却資産とは、事業用に使う土地や家屋以外のもので次の資産をいいます。

 

  • 構築物(看板、駐車場舗装など) 
  • 機械、器具(建設機械、印刷機械など) 
  • 船舶、航空機(漁船、ヘリコプターなど) 
  • 車両、運搬具(大型特殊車両など) 
  • 備品、工具(冷蔵庫、パソコンなど)

 

償却資産は事業者向けの資産ですので、今回は土地と家屋に絞って解説します。

 

固定資産税はいつ発生する?

固定資産税は賦課期日毎年1月1日時点)に、土地や家屋、償却資産を所有している人に対して課されます。

 

たとえば、所有している土地を1月2日に手放したとしても、1月1日時点では所有していますので、新年度の固定資産税がかかることになってしまうのです。

 

固定資産税がいくらになるか計算してみる

 

固定資産税の計算方法の元になる評価額は、購入価格とは異なります。資産ごとの評価方法を具体的にみていきましょう。

 

宅地の種類によって評価額が変わる

土地には宅地や畑などの地目というものがあり、どれに該当するかによって評価額が異なります。この地目は、登記上の地目のことではなく、自治体が実際の状況を確認して決定。

宅地の場合には、軽減措置が設けられており評価額が減額されます。

 

  • 小規模住宅用地…当該家屋の敷地面積のうち200㎡以下の部分については、評価額が1/6になります。
            200㎡を坪数にすると60坪程度であり、一般的な住宅であればほとんどの面積に適用されます。 
  • 一般住宅用地 …200㎡を超える部分については、家屋の床面積の10倍を限度として評価額が1/3になります。

 

家屋の評価額は?

住宅用家屋は、宅地と違って軽減措置はありません

固定資産税評価額=固定資産税課税標準額」となるので、評価額は固定資産課税台帳に記載されている金額です。

また、家屋は新築住宅である建築された年がもっとも評価額が高く、そこから時の経過によって、通常、評価額は下落していく一方となります。

 

マンションの場合はどうなる?

住宅がマンションの場合であっても、一戸建てと同じように土地、家屋とそれぞれの固定資産税評価額が設定されています。

 

集合住宅の土地は、まずマンションの敷地全体に対する固定資産税評価額に該当する部屋の専有面積を出すことからはじまるのです。そして、それに応じた持分割合を乗じて、各部屋ごとに評価額が割り振られます

 

家屋となる部屋部分については、同じ面積、同じ間取りの部屋は固定資産税評価額も同一です。部屋がなん階にあるかは関係ありません。

 

新築と中古ではどちらが得?

 

家屋を取得するには、新しく住宅建築する方法と、中古住宅を購入する方法があります。固定資産税に関してどちらの方法がお得となるのでしょうか。

 

特例適用が受けられるかをチェック

中古住宅の場合には、築年数などにより上記の特例措置の適用が受けられない場合があるので注意が必要です。

 

基本的には、その住宅が築20年以内であるかどうかが境目となります。

ただし、20年超の場合であっても受けられる場合もありますので、購入を検討する際には不動産会社に確認をしましょう。

 

「受けられると思っていた特例が受けられない」「予想外の出費があった」

そんなことは、できるかぎり避けたいものです。

前もって適用を受けられないことがわかっている場合には、自己資金を多めに用意しておきましょう。

 

固定資産税には減免などの優遇措置はある?

 

2018年度税制改正により、新築住宅に対する固定資産税の減額措置が2年間延長されました。このように住宅に関しては、国をあげて取得や改修工事を促進しており、さまざまな措置がとられています。

 

新築住宅で受けられる軽減

新築住宅の場合には、固定資産税が1/2減額されます。

戸建て住宅の場合には取得から3年間マンションの場合には5年間です。(長期優良住宅に該当する場合は、戸建て住宅5年間、マンション7年間となります。

 

減税を受けられる条件は?

2020年3月31日までに新築された戸建ておよびマンションであり、一戸あたり120㎡が適用の限度となります。

適用を受けるための申告書の提出など特別な手続きはなにもありません。自治体の「家屋調査」によって把握され、適用条件に該当していれば自治体で手続きしてくれます。

 

長期優良住宅の場合には、上記に次の審査条件が追加されるので、チェックしておきましょう。

 

  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律第10条第2号に規定する認定長期優良住宅に該当すること 
  • 居住部分の床面積の割合が当該家屋の1/2以上 
  • 一戸あたりの床面積が 50 ㎡以上 280 ㎡以下 
  • 新築年の翌年1月 31 日までに減額の申告をしていること

 

リフォームで減免対象となる場合も

前述のほかにも、バリアフリー住宅への改修、耐震化のための改修、省エネのための改修など、固定資産税が1/3となる軽減措置があります。建築価格がかかっても、減免対象になるなら、ありがたいものですよね。

 

これらの措置は、自治体ずべて同じではありません。自治体ごとに要件が異なる場合がありますので、詳しくは自治体へ直接ご確認ください。いくことがむずかしいしい場合でも、電話で教えてもらえるので安心です。

 

固定資産税の過払いが発生しています

 

「固定資産税は、お役所が計算するのだから間違いがあるはずがない。」

こんなことを思ってはいませんか?

 

実は税金の過払いは、過去にニュースに取り上げられただけでも数えきれないほどあります。

しっかり確認するのが肝心です。

 

納税通知をしっかり確認して

家屋調査など税金の計算過程に人が介入する以上、誤りが起きないということは絶対にありません。データ入力の際の単純な入力ミスや、本来適用される軽減措置が適用されていなかったりと、なんらかのミスが起きる可能性は常についてまわります。

 

税金はむずかしいからと専門家任せにせず、正しい税金知識を身につけて自分が最終チェックをするつもりで納税通知書・負担水準を確認しましょう。

少しでもおかしいなど感じることがあったら、納得いくまで自治体の説明を受けるのがおすすめです。

 

家を建てる前に、固定資産税について知っておこう

 

固定資産税は多くの人にかかる税金であり、その性格上、金額が大きくなりやすい税金です。また自治体が税額を決定して通知してくるので、いわれるがままに支払っている人も少なくありません。

 

前述でおわかりになったように、固定資産税の計算は意外と単純であり、税額が軽減される制度がいくつもあります

 

今まで納税通知書をあまり見ることがなかった方も、これを機に自分の固定資産税を確認してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ
  • 固定資産税は「固定資産税課税標準額×1.4%」で計算される
  • 固定資産税課税標準額は路線価を元に計算される
  • 課税対象は、土地、家屋、償却資産
  • 1/1に固定資産を所有している人に課税される
  • 状況に応じてさまざまな税額の減免・優遇措置がある
  • 通知税額には誤りがある場合がある

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