上場企業の日本一と最下位は？平均年収ランキングから特徴を解析

上場企業は企業の期待の星です。
投資対象としてだけでなく、社会への貢献度や就職・転職先としても注目されています。

ただし、上場企業の中でも上位と下位があるのは事実です。
それは従業員の年収にも影響がおよびます。

ここでは、上場企業の平均年収ランキングにおける企業の特徴についてお話します。

今、上場企業の日本一は？

日本で上場している約3600社の企業データから、上位500社の平均年収ランキングを示したデータがあります。
毎年、ランキングの発表を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

今、上場企業の日本一として輝いている企業、平均年収ランキング上位20社までを紹介します。

平均年収ランキング上位20社一覧

上場企業のうち、平均年収ランキングが最も高い企業は、2000万円を超えています。
1位と2位は、M&A事業を行う企業が独占。
3位には、以前から超高給企業として常連の計測制御機器大手が着けています。
早速、上位20社までのランキングを見てみましょう。

1位：M&Aキャピタルパートナーズ 平均年収2253万円
2位：GCA 平均年収2153万円
3位：キーエンス 平均年収1756万円
4位：日本商業開発 平均年収1741万円
5位：ストライク 平均年収1616万円
6位：ファナック 平均年収1571万円
7位：野村ホールディングス 平均年収1515万円
8位：朝日放送 平均年収1498万円
9位：TBSホールディングス 平均年収1490万円
10位：三菱商事 平均年収1445万円
11位：東京海上ホールディングス 平均年収1436万円
12位：フジ・メディア・ホールディングス 平均年収1430万円
13位：日本テレビホールディングス 平均年収1427万円
14位：伊藤忠商事 平均年収1382万円
15位：三井物産 平均年収1363万円
16位：テレビ東京ホールディングス 平均年収1323万円
17位：ヒューリック 平均年収1295万円
18位：三井住友フィナンシャルグループ 平均年収1272万円
19位：住友商事 平均年収1255万円
20位：スカパーJSATホールディングス 平均年収1246万円

全体的に持ち株会社が多いです。経験豊富な従業員が集合している分、年収も高くなります。
そのため、上位を独占しがちな傾向があります。

業種によって異なる年収相場

2017年の業種ランキング1位はベンチャーキャピタルでした。
また、証券・投資銀行や商品取引など、金融業界が全体的に盛り上がりを見せています。大手のSBIホールディングス株式会社は年収平均年収は775万5049円です。

1位：ベンチャーキャピタル 平均年収1204万円
2位：証券・投資銀行 平均年収845万円
3位：商品取引 平均年収783万円
4位：不動産 平均年収740万円
5位：生命保険・損害保険 平均年収706万円
6位：専門店（カメラ・OA関連） 平均年収691万円
7位：住宅・健在・エクステリア 平均年収657万円
8位：信託銀行 平均年収650万円
9位：外資系金融 平均年収644万円
10位：リフォーム・内装工事 平均年収632万円

年収1000万越えは何社？

上場企業の中で、平均年収が1000万円を超している企業は60位まで。50位周辺を見てみると、放送事業のWOWOW、キリンホールディングス、日本オラクル、日本商業開発、商船三井、日本郵船などがあげられます。
50社ほどの上場企業が平均年収1000万円以上というのを多いと見るか、少ないと見るかは、人によっても受け止め方が違うはずです。
就職や転職をする目標企業としては、狭き門といったところでしょうか。

上場企業の社員は実際に高給取りなのか？

上場企業の中にも、様々な背景を持った企業があります。
従業員全員に高い年収を支払えるほど潤っていたり、従業員の売上の多くを分配するポリシーを持った企業がある一方で、会社の成長に投資しなければならない企業もあります。
そのため、全ての上場企業の従業員が、高給取りとは限りません。
平均年収上位ランキングにあがっている上場企業は、確かに従業員が高給取り。
といっても、従業員によって差があるのは当然です。
また、上場企業の平均年収上位ランクを占めている持ち株会社は、グループを管理するという性質上、経験豊富な従業員が勤務しているため、年収が飛び抜けて高くなるのは必然です。多くの上場企業の平均年収上位ランキングは、1000万円から1300万円程度の範囲におさまっているといっていいでしょう。

上場企業で平均年収ワースト1位は？

上場企業といっても、平均年収ランキングが400万円未満の企業があります。
ほんの一握りともいえず、約3600社の上場企業のうち、200社ほどは平均年収が400万円未満なのです。
その事情は企業によってそれぞれですが、平均年収ワーストランキングにあがっている企業の多くは地方にあるのが特徴的。
ただし、定年退職後の再雇用社員などの年収も対象にしている企業があり、正社員の平均年収が一概に低いとも言い切れません。

データは、2015年9月期から2016年8月期の有価証券報告書をもとにした数値です。上場企業の平均年収ワーストランキング1位は、宮城県のトスネット。
平均年収は、252万円です。警備会社で、業種としてはサービス業に分類されます。

平均年収ランキング下位5社一覧

上場企業の平均年収ランキング、ワースト5社も見てみましょう。1位は先に紹介しましたので、2位から5位までをあげてみます。

2位：アクシーズ 平均年収266万円（鹿児島県）
3位：ショクブン 平均年収284万円（愛知県）
4位：日本マニュファクチャリングサービス 平均年収285万円（東京都）
5位：マルコ 平均年収286万円（大阪府）

2位のアクシーズは、鹿児島県でニワトリの飼育や鶏肉の加工食品製造販売を行う水産・農林業。大手フライドチキン会社への卸会社としても、知られています。
3位のショクブンは、かつてヨシケイとして知られた食材配達サービスの上場企業。愛知県名古屋市に、本社が置かれています。
4位の日本マニュファクチャリングサービスは、新宿区にある人材派遣サービスの会社。
5位は、聞き慣れない企業名かもしれませんが、婦人用の補正下着や化粧品、健康食品の販売を行う小売業です。

平均年収が低い企業の特徴

平均年収が低い上場企業の特徴の第一は、地方を本拠地としていること。
都会よりは物価が低い地方では、年収も低めなのが一般的です。
年収が低いからといって、その地域で暮らすのに不自由するわけではないこともあり、平均年収の低さが悪い企業というイメージにつながることはありません。
利益率が高くない事業を手掛けていることも、大きな特徴の一つ。
ワースト2位にあがったアクシーズなども、鶏肉の加工業という利益率が明らかに低い事業です。
たまたま、その年は業績が悪く、従業員の平均年収にも響いたということもあります。

平均年収が低いのはダメな会社というわけではない

上場企業なのに平均年収が低い会社はダメ、と即時に一刀両断するのはどうでしょうか。
平均年収が低くなる理由は、会社によってそれぞれ異なります。
よくよく見てみれば、平均年収が上位ランキングにあがった企業にしても、何年も連続で上位にランクインしている企業は限られています。
たまたま急上昇することがあるのは、業績が良かったからのこと。
平均年収の低さだけで企業の良し悪しは、判断しきれるものではありません。
重要なのは、長いスパンで業績を見ることです。
また、長い期間勤めたい人にとっても、平均勤続年数が長い企業のほうが有利です。
平均年収が低めでも、長期間勤続できるほうが安泰という考え方もあります。

年収以外に業界平均年齢平均勤続従業員もチェック

上場している日本企業の年収ランキングは、参考になりましたでしょうか。
ベストランキングからワーストランキングまで、興味深い結果が見えてきます。
一般に、高年収の上場企業が理想的なように見られがちですが、ワーストランキングの中にも有望な企業があることがわかります。
幅広い企業の動向を見ることが、広い視野を育てることになるでしょう。

証券、商品先物取引業業界の平均年収750.1万。ガラス・土石製品業界の平均年収567万。輸送用機器は平均年収611万円です。

ほんの一握りの平均年収1000万円以上クラスの上場企業に対して、大部分の上場企業は数百万円クラスの平均年収です。

業界平均年齢平均勤続従業員なども合わせて見ておくことが、データの有効活用につながります。
是非、就職、転職の参考にしてみて下さい。