【他人事じゃない!】退職金を株式投資で失敗・大損した5つの事例
老後の豊かな生活のために、退職金で株式投資をして資産を増やしたいと考える人が増えています。退職金は、まとまった大金が入るチャンス。
しかし、退職金を元手に投資をしようと夢見る人が急増する一方で、大失敗して大損になったという人も続出しています。
ここでは、退職金を株式投資で失敗し、大損した事例を5つ、紹介します。
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退職金で株式投資は絶対にやってはいけない!
退職金のほとんどを株式投資などの資産運用にあてる人は、少なくありません。
証券会社の窓口に勤める人が退職直後の顧客をありがたく思うほど、おすすめされるまま投資商品を購入する傾向があるのです。
退職金の投資で失敗するのは、株式投資が初めての人ばかりではありません。
にもかかわらず、失敗してしまうのは、退職金ほどの大金を手にすることが初めてだからです。
分散投資を心がけて、銀行や証券会社のすすめに従っても、退職金が半分になってしまったという人は、ざらにいます。
複数のジャンルに分けて運用するバランス型の投資信託も、リーマンショックの頃には何割も下落したのが、よい証拠です。
実際、リスクが低いといわれていた分散投資の効果が低くなって、何に投資したらよいか迷ってしまうでしょう。
ただ迷いの中でも、退職時から平均寿命の80歳くらいまでに「資産を増やして豊かに暮らしたい」という願望や焦りは強くなってきます。
だからこそ、大きくあててしまい、投資に失敗しやすいのです。
何故やってはいけないか
退職金のみを資産として投資につぎ込むのは、老後の生活費をギャンブルにつぎ込むのと同じことです。
大金を持っているときに、株式投資をしてはいけないということではありません。
退職までに投資に取り組んで、十分な資産を形成しているなら、その資金で投資を続ければよいのです。
退職金は、純粋に老後の生活費として備えておくのが賢明。
もっと増やそうと焦って、退職金の多くを投資に使ってしまうのは失敗につながりやすいものです。
ただでさえ、年金だけでは老後の生活費が不十分といわれる中、不足分を退職金から切り崩して何とかやり繰りしている高齢者はたくさんいます。
1年や2年のことではなく、10年も20年も先まで大事に使うべきなのが、退職金なのです。
株式投資で成功している人の中には、ほんの一握りとはいえ、億単位の資産を築いている人もいます。
ただし、成功の裏には、株式投資で大損している経験が隠されています。
損切りポイントを見極めたり、世界の相場観を磨いていくためには、10年単位での経験が必要です。
退職までに株式投資の勉強をしたつもりでも、ほとんどの人はまだまだ経験不足。
小さな資金でコツコツ投資するのと、退職金の大部分を一気に投資するのとでは大きな違いがあることを見過ごしてはいけません。
初心者がやってはいけない
世間では、初心者向きの株式投資などとして、まだ株式投資をしたことがない人に盛んに投資をすすめる傾向があります。
業者が初心者に投資をすすめるのは、投資が儲かるからではありません。
初心者には経験がなく、投資のリスクを身に沁みてわかっていないからです。
ビットコインや信託報酬などの甘い誘惑に乗せられてしまうのも、リスクよりもリターンに期待してしまうため。
リスクはあっても、ハイリターンがあればよいというほうに、なぜか懸けてしまうのです。
退職金を投資で大損してしまう人の多くが、儲かる経験はしていても損する経験をしていません。日本株、日経平均を毎日チェックしていても、実際に失敗した経験に勝る勉強はないのです。
「ミドルリスク」なんてない
退職金を投資に懸けようとする人の中には、ハイリスク・ハイリターンは危険だから手を出さないけれど、ミドルリスク・ミドルリターンなら安全そうだと考える人もいます。
その下にはローリスク・ローリターンが控えていますが、これでは退職金を増やすまでに時間が足りないと考えるのです。
分散投資などは、ミドルリスクといわれてきた代表例です。ところが、リスクが中間的という分散投資ですら、大損してしまう人が後を絶ちません。結果としては、ミドルリスクではなく、ハイリスクだったのです。
大か小かを選ぶときに、中間を選ぼうとするのは、人の常。ただし、投資の世界では、ミドルリスクという現実はないと認識しておくのが正解です。
考え方によっては、ローリスクもないといえます。
どんなリスクもハイリスクと心得たうえで、覚悟してお金を使う必要が、株式投資にはあるのです。
「ハイリターン」なんてない
ハイリスク・ハイリターンという言葉がありますが、この考え方にも疑問を持つべきです。
ハイリターンを得るためには、大きな資金を投入する必要があります。
投入した資金が大きくなって戻ってくる保証は、微塵もありません。つまり、ハイリスクなくして、ハイリターンはあり得ないのです。
リスクが高くても、ハイリターンがあるならと夢見て大金を投資してしまうと、大損しかねません。
ハイリターンを得ている人は、すでに捨ててもいいほどのお金を持っていると考えておいたほうがよいでしょう。
失敗・大損した5つの事例
それでは、実際に株式投資で失敗・大損した事例を見ていきましょう。
絶対に儲かる情報提供はない
退職金を投資で大損してしまう人の中には、株式投資について勉強もしたし、専門家のすすめに従って商品を購入したと訴える人がいます。
本やインターネットの情報にしても、投資顧問サービスの会員向け情報にしても、絶対に利益が出るという情報はありません。
あくまでも、推奨銘柄情報を提供してくれているだけです。
元本を保証するから情報を買いませんか、という投資顧問サービスがないことに気付けば、絶対に儲かる情報提供はないことを認識できます。
専門家が推奨した銘柄を信じたからと、退職金を投資して大損、元本が半分以下になってしまったという人が急増しています。
損切りできずに大逆転を狙ってしまう
退職金を投じて購入した投資商品が値下がりしたものの、損切りできずにズルズルと運用損を続けてしまう失敗例も、少なくありません。
損切り幅は際限なく広がっていくのに、基準価額が買値に戻るまでは手離せないとこだわってしまうのです。
仮に、50万円まで値下がりした投信が、100万円まで回復することを考えてみると、年率7%で10年のリターンが続かなければなりません。
そんな奇跡に期待するのは、宝くじで10億円当選する奇跡に期待するのにも等しいこと。損失が長期化していくにつれて、損に気付きにくくなってしまうことにも要注意です。
タイミングを見計らえずに大損
退職金で株式投資を始めた最初のうちは、順調に資産を増やせたのにという人は多いものです。
おいしい思いをしたがために、株式相場が下がり出すことに鈍感になってしまうのが、投資で大損する原因の一つ。
商品に対するリスクには敏感になっていても、タイミングを見計らうことを忘れてしまうのです。
わずか半年で、数百万円の大損をしてしまう人も珍しくありません。
後に景気は回復しますが、回復するまでの数年の間に、損切りできずに資産を減らしてしまう人も多いのです。
資産運用に自信を持って、周囲の意見を聞けなくなる
ときには専門家から慎重に検討するようにとアドバイスをもらう人もいます。ところが、退職金投資で大損する人の中には、資産運用に関してもう十分に勉強したという自信があり、聞く耳持たないケースがあるのです。
理由は、最初に自分の投資方法で成功した自負にも関係しています。このペースでいけば順調に事が運ぶだろうと、過信してしまうのです。
80歳になる前に退職金を増やしたい焦り
株式投資で退職金を増やし、老後の資産に充てたいという人には、焦りがあります。80歳まで生きるとしても、次第に自分の判断力は鈍ってくる恐れを持っているからです。
今のうちに運用先を決めておきたいという焦りが、大きな投資へと向かわせてしまいがち。金融機関にとっては、飛んで火に入る虫のごとく、待ってましたというお客様です。
儲かるか儲からないかまでは金融機関にもわかりませんが、おすすめ商品をどんどん出して、購入してもらえればよいのです。
投資する側にとっては、専門家がすすめてくれるのだから、おそらく儲かる確率が高いのだろうと思い込んでしまいます。それこそが、投資で大損しかねない第一歩なのです。
最後に・・・
退職金の投資で大損してしまうケース、参考になったでしょうか。
ゆとりのある老後を送りたい気持ちは、誰にもあります。
投資がいけないわけではなく、上手に資産運用をすれば、儲かることもあります。
ただし、退職金を大きく投資に使ってしまうことは避けたうえで、株式投資への取り組み方を見直すことが大切です。
それまでしっかり勤めて手に入れた退職金を、ギャンブルのように使ってはいけません。
老後はしっかり計画して過ごしましょう。
・分散投資の効果は、年々低くなっている。
・株式投資での大成功には、10年以上の経験が必要。
・長く、少しずつが、投資で大損しないコツ。
・株式投資は、ローリスクかハイリスクのみ。