【年収2000万】職業や手取り・生活など実現した人の特徴とは??
平成27年度の民間給与実態統計調査によると、給与所得者数は5,646万人、1年を通しての給与所得者数は4,794万人いる中で、年収2,000万円以上の給与を得ている人は、約21,8万人で、0.46%となっています。
つまり、全給与所得者のうちで2,000万円を超える年収を得ている人は、1,000人中で4.6人しかいないことになります。
では、年収2,000万円以上の人たちの手取り金額はどうなのか、職業はどうなっているのか、どんなキャリアなのか、そして、どんな生活をしているのかなどについて見て行くことにいたしましょう。
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年収2000万ってどんな職業の人?
年収が2,000万円を超えるのは、1,000人に4.6人ということで、そう簡単には行かないことは容易に想像がつくはずです。
例えば、会社勤めの場合でしたら、上場企業の経営層の一角、つまりエグゼクティブに入らないと難しいでしょうし、いわゆる限られた人しか、その範疇に入ることはできません。
では、どのような職業が当てはまるのかを見て行きましょう。
先の民間給与実態統計調査の区分は、年間給与を2,000~2,500万円と、2,500万円以上となっていますので、ここでは、2,000万円以上の職業をご紹介します。
※年齢や性別によって若干違いがあります。
★プロスポーツの選手
プロスポーツ選手といっても野球やサッカーだけでなく他にもあります。
例えば、日本プロスポーツ協会に所属してスポーツ団体は、
・日本相撲協会
・日本野球機構
・日本プロゴルフ協会
・日本女子プロゴルフ協会
・日本プロサッカーリーグ
・日本プロボクシング協会
・日本プロボウリング協会
・日本ダンス協会
・日本レースプロモーション協会
・新日本キックボクシング協会
・日本中央競馬会
・地方競馬全国協会
・JKA(競輪)
・JKA(オートレース)
・日本モーターボート競走会
などのたくさん存在します。
この他にも団体には加盟していませんが、日本プロテニス協会やジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグなど、10数団体があります。
その他に、個人的(水泳、陸上、卓球、体操)にプロ契約をしている選手もいます。
因みに、プロ野球の平均年収は3,712万円ですが、1軍の登録選手は最低1,500万円、支配下選手は440万円、登録選手は240万円となっています。JリーグのJ1の平均年収は2,106万円です。
大相撲の関取は幕内力士なると、横綱の4,500万円前後から始まって、前頭の2,000万円強までが相撲協会から支払われる年収で、それとは別に懸賞金などが別途ありますので、横綱では1億円を超えるそうです。
プロゴルファーは、男子の平均年収は3,000万円強、女子は3,000万円弱の賞金収入があり、会社組織で運営している人もいれば、個人事業主で必要経費はすべて自分で清算しなければなりません。
競馬の騎手の平均年収は4,000万円、競艇の選手は1,600万円、競輪の選手は1,000万円強の数字となっています。同じプロ選手でもこと収入に関しては、雲泥の差が生じていることになります。
このようにプロスポーツ選手は企業経営とは別に、個人の能力を最大限に発揮することで、年収2,000万円を超える実績を作っています。
★芸能人
俳優、タレント、歌手、お笑い芸人が対象になりますが、それもピンキリで、テレビでレギュラーを持っている人は億単位の収入があります。
歌手は地方公演をこなすことで大きな収入を得ることが出来ます。
いずれにしてもテレビに出演することが、収入の道に繋がっていると言っても過言ではありません。
芸能人でも売れなければ、2000万という数字をたたき出すのは難しいでしょう。
★経営者・役員
通常の場合、一般企業への勤務者で2,000万円以上の給与を得るのは大変なことです。下記のサイトのデータでも、常務取締役の年収は賞与がある場合は、2,013万円と2,000万円を超えていますが、ない場合では、1,782万円、平均では1,885万円で、2,000万円に達していません。
また、取締役の年収は1,556万円で、2,000万円には届いていません。
このことは、当然、業界、企業によって大きく異なることはいうまでもありません。
実際に、企業によっては役員前の部長クラスで、すでに2,000万円を超える場合があります。
※参考:産労総合研究所:2015年役員報酬の実態に関する調査より
http://www.e-sanro.net/jinji/j_research/j_research01/pr1601/
★コンサルタント
社会人の中でも、外資系のコンサルティングファームに属する、経営コンサルタント、戦略コンサルタントは、多くの場合、MBAの取得者が携わっていることがあり、新規事業の立ち上げやM&Aなどに参画し、企業の業績を上げたり、経営の高度化に資する提案、アドバイスをしたりします。
企業内でも経営企画や事業企画の幹部の中に、2,000万円を超える高収入を得ている人もいます。
★ディーラー、トレーダー、ファンドマネージャー
彼らは金融の専門職で、トレーダーは証券会社、信託銀行で、債権の売り買いをしているディーラーと顧客の間に立って、仲介をする仕事をしており、ファンドマネージャーは、投資信託、運用会社で投資家からの投資金を運用しています。
★医師
医師が高給取りと言えるかというと、病院で診察を行っている勤務医の平均年収は、1,100万円前後で、仕事の割にしては必ずしも高給取りとは言えません。実際に有名大学の臨床の教授でも1,300万前後と言われています。
しかしながら、自分で開業した場合には全てがそうではありませんが、2,000万円を超える年収を得られるチャンスが出てきます。
★国家公務員
国家公務員の場合は、人事院が国家公務員の給与水準と民間給与水準とも均衡させることを念頭に置いて、人事院勧告をだします。
政府は、それを受けて国政全般に鑑みて方針を決定し、それが国会で決定されるわけですが、国家公務員で2,000万円を超えるのは、各省の事務次官のみと言えます。
★国会議員
国会議員の年収は、次です。
歳費月額129万4,000円×12カ月=1,552.8万円
ボーナス(6月263万円、12月319万円) 582万円
合計 2,134.8万円
この年収に組み込まれないものとして、
文書交通費 月額100万円
立法事務費 月額 65万円
JR、航空などでの移動費は無料
政党助成金(政党によって金額は変わります)
などを合算しますと、4,000万円ほどが国会議員人当たりの費用ということになります。
こうして見てきますと、年収2,000万円以上得ることは簡単なことではありません。
一般的なサラリーマンでは、それこそ、経営者にならないと厳しいでしょう。
さらに、それ以外の職業では、特殊な能力が活かされる分野において、年収2,000万円を得るチャンスに巡りあうことができるということが分かります。
転職事情について
大手企業や伝統を重んじるような企業では、中々年収2,000万円以上を支払って、ヘッドハンティング、あるいは転職を求めることは少ないでしょう。
しかし、外資系企業やコンサルティング企業、新規事業を計画中の企業などでは、スキルフルなスペシャリストやゼネラリストの求人、それも、部長職以上の役員クラスをターゲットにすることが多いようです。
例えば外資系では英語力はマストで、その上に、経営企画、開発エンジニア、事業企画、品質管理、生産・製造技術、生産管理など、即戦力に管理能力を有した人には、転職のアプローチが人材紹介会社や、時にはダイレクトにくることがあります。
また、戦略コンサルタントとして、海外情報に長けている人や、マーケティング、技術畑、投資ファンドのCEO、新規事業の立ち上げなど、経験値―キャリアを最優先して役員センスのある人にはヘッドハンティングが日常的に行われているようです。
いずれにしても、このような人に対しての転職条件は、現在の勤務先よりは年収アップを提案するのは当然のことで、能力をハンティングするわけですから、それ相応の待遇を用意するところがほとんどです。
このような役員候補をハンティングするのを専門にしている転職支援をする会社もあります。自分の能力を試したい方は、登録しておくとチャンスが巡ってくることがあります。
手取りはいくらぐらい?
日本中で0.46%しかいない2,000万円以上の年収の人の手取り金額ってどれくらいになるのでしょうか?
ご存知の通り、手取り金額は年収から所得税、社会保険料、住民税が存在します。
そこで、まず2,000万円の所得税から見て行きましょう。
給与所得控除の計算方法
所得税の計算に際しては、所得税控除を計算します。
年収ごとの所得税控除の計算式は次のようになっています。
1000万円まで | 収入 x 10% + 120万円 |
1500万円まで | 収入 x 5% + 170万円 |
1500万円以上 | 245万円 |
★所得税控除額を計算
年収が1,500万円以上の控除額は245万円と決まっています。
となると、2,000万円の場合は、245万円が控除額になります。
社会保険料も控除の対象になりますのでそれを調べてみますと
★社会保険料控除額を計算
社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)は、おおよそ14.22%が目安となりますので、
社会保険料控除額は、2,000万円×14.22%=284万円となります。
それから、所得税には基礎控除がありますので、それは38万円となっています。
★控除額を計算
したがって、控除額の合計は、以下の通りです。
245万円(所得税控除額)+284万円(社会保険料控除額)+38万円(基礎控除額)=567万円
★所得税を計算
年収2,000万円の所得税課税対象額
2,000万円-567万円=1,433万円
となります。
課税対象額 | 税率 | 控除額 |
1) 195万円まで | 5% | なし |
2) 330万円まで | 10% | 9.75万円 |
3) 695万円まで | 20% | 42.75万円 |
4) 900万円まで | 23% | 63.6万円 |
5) 1800万円まで | 33% | 153.6万円 |
6) 4000万円まで | 40% | 279.6万円 |
そこで、所得税を計算するわけですが、1,433万円ですと上記の表の5)の1,800万円までになりますので、
1,433万円(課税対象額)×33%(税率)-153.6万円(控除額)=319.29万円
という結果になります。
住民税の計算方法
住民税は所得税に比べると基礎控除が5万円低い33万円となっています。
したがって、年収2,000万円の人の住民税は次のようになります。
★住民税控除額の計算
245万円(所得税控除額)+284万円(社会保険料控除額)+33万円(基礎控除額)=562万円となります。
★住民税の課税対象額の計算
2,000万円-562万円(住民税の控除額)=1,438万円
★住民税の計算
住民税は、課税対象額に10%をかけ、均等割りの5,000円を加えた後、調整控除額の2,500円を引いて計算できます・
1,438万円(住民税の課税対象額)×10%+5,000円(均等割り)-2,500円(調整控除)=144.05万円
★年収2,000万円の独身者の手取り金額
よって、年収2,000万円の独身者の手取り金額は、
2,000万円-319万円(所得税)-284万円(社会保険料)-144万円(住民税)=1,253万円
となります。
年収2,000万円、夫婦と高校生と大学生の4人家族の場合の手取り額
4人家族の場合では、所得税控除額がプラスされます。
妻が38万円、高校生も38万円、大学生が63万円です。
所得税課税対象額は、
245万円(所得税控除額)+284万円(社会保険料控除額)+38万円×3(基礎控除+扶養控除×2)+63万円(特定扶養親族―大学生)=1,294万円となります。
★所得税の計算
所得税は、1,294万円(所得税課税対象額)×33%(税率)-153.6万円(控除額)=273.42万円
★住民税の計算
住民税は扶養家族がいる場合、妻は33万円、高校生33万円、大学生45万円が控除になります。
したがって、この場合の住民税の控除額は
245万円(所得税控除額)+284万円(社会保険料控除額)+33万円×3(基礎控除+扶養控除×2)+45万円(特定扶養親族―大学生)=673万円
(住民税税課税対象額)は2,000万円-673万円=1,327万円となります。
したがって、年収2,000万円4人家族の住民税は、
1,327万円(住民税税課税対象額)×10%(税率)+5,000円(均等割り)-2,500円(調整控除)=132.95万円となります。
★年収2,000万円4人家族の手取り金額
2,000万円-273万円(所得税)-284万円(社会保険料)-133万円(住民税)=1,310万円
このように、家族4人の場合の年収2,000万円の手取り金額は1,310万円となります。
年末調整はある?
給与の支払い者は、その年の最後の給与、つまり12月分の給与を支払う際に、個々人の給与総額を計算することで、所得税を計算しなおしますが、その際に、その税額と、それまで源泉徴収した税額と照らし合わせて、足らない場合は12月の支給額から徴収し、余分に取りすぎている場合には、調整されます。
これを年末調整と呼んでいます。
多くのサラリーマンは12月の給与でこれを行っていますので、課税に関してはこの手続きで終了となります。
しかし、年収が2,000万円を超えると、勤務先で年末調整はありませんので、翌年の2月から3月にかけて確定申告をしなければなりません。
仮に、税金を納め過ぎた場合には、還付金として戻されることになります。
確定申告はどうしたらいい?
その確定申告ですが、1月1日~12月31日の1年間の所得を計算した上で、納税をする大切な作業で、翌年の2月15日~3月15日までに管轄している税務署へ確定申告します。
そこで、所得税の納税を行うことになります。
年収が2,000万円を超えた場合には、この確定申告を行わなければなりません。
場合によっては、税金が戻ってくることもありますので、しっかりと準備をして申告するようにしましょう。
年収2000万の人の生活の実態
前述で、年収2,000万円の4人家族の手取り金額を1,310万円と示しましたが、大学生と高校生の教育費に250万円、住宅ローン100万円を差し引くと960万円となり、月収80万円ということになります。
【月収80万円の生活実態】
貯蓄 20万円
食費 10万円
投信 5万円
保険 5万円
保険 1万円(掛け捨て)
衣装 5万円
旅行 5万円
小遣い 10万円
光熱・通信 3万円
雑費 5万円
交際 3万円
自動車他 8万円
年収2,000万円クラスになると、ほとんどが持ち家の場合が多く、最大の出費は子供の教育費で、それが最大の優先順位を占めます。
節約できる部分があれば、貯蓄に回すことが可能で、老後のことを前提にすれば、不自由のない生活が営められる環境を作ることが出来ます。
また、車については二人の子供にかかる学費が終われば、それこそベンツでもいいでしょうが、それまでは国産車が良いかもしれません。
厚切りジェイソンから学ぶ年収2000を目指す方法
厚切りジェイソンと言えば、変な外人の何代目になるのでしょうか。
とにかく、変な外人であることは疑いようがありません。
IT企業の役員をしながらお笑い芸人の二足の草鞋を履いています。
彼は、2,000万円の収入の人と、500万円人との違いを調査データ読み解いています。
必ずしも正解と言えるかどうかは判りませんが、彼は、給料は自分の価値が相手にどれほど貢献できているかで決まると言っています。
要は、自分の価値を高く評価してくれる企業に転職することで給料をアップさせ、そして、また自分の価値、能力を高く評価する会社へと転職することで、収入をアップしてきた彼流のビジネスセンスの成功体験が色濃く残っています。
彼流の生き方は周りとの違いを明確に打ち出すことで差別化ではなく、区別する戦略を採ったことが彼の能力の評価に繋がり、次にステップに進むチャンスをものにできたということを語っています。
彼が有効と考えることは、無駄な時間を作らないように勉強をどう組み込んでいくかで、蓄積が変わってくるので、その時間をどう有意義に使えばいいのか、5分の場合、30分の場合のように、それぞれにお時間に合わせて、効率性がどうなるのかを試せばいいと言っています。
そして、日本人の資格好きに対しても触れていますが、日本人は資格を取ることが目的になって、その資格を活かしてどう仕事をしていけばいいのかという設計図が出来ていないことを指摘しています。
さらに、具体的な数値目標を立てることで、余りにもそのことに囚われるために、計画通りいかなかった場合のダメージが残ることが、かえってマイナスの状況を生みだすと言っています。
そして、小さなことでも習慣化することが大事で、とにかく続けて行くことに価値を認めています。
それには、時間の使い方にポイントがあり、これまでの人生経験を否定することなく、時間をどう使うかによってすべてが決まると言って過言ではないと示唆しています。
ようは、どんな時に際しても、変化対応力が必要であることを物語っています。
年収2,000万円はエリート社会人
日本で2,000万円以上の年収のある人は、わずか0.46%です。
つまり、誰もがその仲間になれるわけではありません。
年収2,000万円の場合の手取り金額は、1,300万円前後ですが、1,500万円の場合では1,000万円前後になります。
年収での500万円の差は、手取り金額では200万円の差になっていることが分かりますね。
そういう意味では、年収が上がったからと言って、それに比例するように手取り金額は増えません。
しかしながら、年収2,000万円はその年収に似合った自己実現ができる金額でもあります。
不自由のない生活を送ることができる金額と言えるでしょう。
・サラリーマンで年収2,000万円を得るのは大変なこと
・年収2,000万円を得るには、大企業の役員、中小企業の経営者
・年収2,000万円を得るには、特別な才能が必要なことも
・年収2,000万円以上の年収を得るには、プロとしての能力が必要
・年収2,000万円になると、年末調整の必要はありませんが、確定申告が必行
・年収2,000万円の生活は、将来の余裕への助走