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トヨタから独立「デンソー」の平均年収834万円!昇給システムも魅力満載

 2017/09/09 仕事
この記事は約 14 分で読めます。

日本の自動車産業はトヨタからはじまって、ホンダ、日産、マツダ、富士重工、スズキ、三菱自動車、いすゞ、日野自動車、(ダイハツはトヨタグループ)と、有名企業が名前を並べていますが、その背後には自動車の電装品、部品メーカーがついています。

 

中でもトップに君臨するのがデンソーです。

デンソーはそれだけでなく、世界の中でもトップ3に位置づけされる世界的なメーカーでもあります。

そのデンソーの労働環境、賃金体制、福利厚生を通して、その内容を見ていくことにいたします。

 

多くの人の関心は、やはり年収がどの程度なのか、昇給に際してはどのような視点から決められているのか、そして、社員が働きがいを感じるポイントは何処にあるのかという部分でしょう。

 

それでは、デンソーの社内状況を細かくみていきましょう。

 

デンソーとは?

出典:https://www.denso.com/jp/ja/about-us/facts-and-figures/

デンソーの企業案内によると、先進的な自動車技術、システム・製品を提供するグローバルな自動車部品メーカーと紹介しています。

そして、年間のグループの売り上げは4.5兆円、従業員は全世界で150,000人、グループ会社は200社、研究開発にも連結売り上げ収益の9%を投資、技術オリエンテッドの姿勢で臨んでいることが分かります。

 

研究開発

特に、研究開発に対しては、環境安心・安全の分野にチャレンジしていて、世界初と言われる技術、製品を世に送り出しています。

そこには「新しい価値の創造を通じて人々の幸福に貢献する」という使命感が如実に現れています。

 

例えば

  • ディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させた「コモンレールシステム」
  • 夜間に歩行者を検知する「ナイトビュー」

このような開発実績が、研究開発やシステム開発、ソフト開発の姿勢が現れた瞬間でもあるでしょう。

 

生産

折角の技術、製品の開発力があっても生産力がなければ、なんの意味もありません。

デンソーには技術開発、生産に関して、考えられるすべての面から最も優れた製品を作るための試みが行われています。

 

生産の裏付けとしての品質保証

車の安全・安心は、カーメーカーだけの責任ではありません。

自動車が作り出されている部品一つにしても、安心することができるからこそ、自動車を運転する人、同乗者の大切な生命を運ぶことが出来るのです。

そのために、部品メーカーを逸脱してテストコースを自前で持っているほか、高低温風洞実験室電波暗室も設備として用意し、世界各国の走行状況、環境を前提にしたテストを行っています。

 

人(社員)

研究開発、生産と条件が揃っても、最終的には人が関わっています。

それを企業の根幹として捉えることで、全世界150,000人の社員、国籍、性別、年齢、言語、習慣が違っても、多様性の中に一つにまとまる方向性を共有する強みが発揮しています。

そしてそのことが、「Crafting the Core」というデンソーのロゴに現れています。

それには、「人にとって大切なものを創り上げ、磨きつづける」という言葉が相応しく、モノづくりにまい進する情熱が溢れています。

 

デンソーの歴史と独立性

出典:https://www.denso.com/jp/ja/news/

そもそもデンソーは、1949年にトヨタ自動車の「電装部」が分離、独立してスタートしています。

独立してからは、当時の自動車ブームに乗って、自動車部品のメガサプライヤーとして成長を遂げます。

近年では、単なるメガサプライヤーというポジションを脱して、完全に自動車メーカーのパートナーとなり、それこそデンソーのような巨大部品メーカーの存在が重要視される時代相になっています。

 

トヨタは2016年9月の時点で、デンソーの株式の25%弱を保有しています。

これは会社法でいうと、25%以上株式を保有された場合では、相手先の株式を持っていても議決権が無効になる規定があります。

その観点からすると、デンソーがトヨタに25%以上の株式を持たれることになると、経営の独立性が脅かされることになるため、敢えて25%以下の株式保有にしてあると考えられます。

 

デンソーの強みは、先の研究開発、生産性、そして人にありましたが、実はそれだけではありません。

自動車の商品力を最大限活かす部品の開発、さらに、性能に直結した提案力、要は自動車を使用する生活者視点での発想力に優れたものがあります。

この発想力がトヨタだけでなく、言ってみれば競合となる自動車メーカーにも採用され、今や、全体の売り上げに占める割合は、50%を超えるまでになっています。

とはいえ、トヨタとの関係が希薄になっているわけではなく、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ―(TNGA)に代表される車づくりの改革に、デンソーはカーエアコン、エンジンなどの分野に積極的に関わっています。

 

その他にも、電気自動車用のリチウム電池のプロジェクトをスズキ、東芝の3社でインドで展開することになっています。

 

デンソーの平均年収

日本における平成27年度の給与所得者は4,794万人

その平均給与は420万円となっています。

 

性別で言いますと、男性は521万円、女性は276万円

では、デンソーの平均年収(平均年齢は42.7歳)はどうなっているのでしょうか。

時系列的に見ていくことにいたします。

年度 平均年収
平成23年度 768万円
平成24年度 780万円
平成25年度 805万円
平成26年度 846万円
平成27年度 834万円

自動車業界の追い風を受けて業績も順調なせいか、27年度の例外もありますが、着実に右肩上がりで平均給与は伸びています

 

デンソーの平均年収が高いことは分かりましたが、では、年齢別にはどうなっているのでしょうか。

年齢 平均年収
25歳 540万円
30歳 592万円
35歳 665万円
40歳 748万円
45歳 837万円
50歳 912万円
55歳 933万円

この年齢平均値からすると、デンソーの全体年収平均値は45歳とほぼ一緒になっています。

 

初任給は20万と普通

次に、デンソーの本社社員の初任給を見て行きましょう。(平成27年度4月実績)

 

総合職は、技術職としては博士課程修了、修士課程修了、そして、大卒・高専卒(専攻科)卒に分かれています。

例えば、

学歴 初任給
博士課程卒 26万円
修士課程卒 22.6万円
大学・高専卒 20.4万円

 

実務職は、4大卒、短大卒に分かれています。

学歴 初任給
4大卒 18.6万円
短大卒 16.6万円

こうしてみると、技術オリエンテッドの会社だけあって、研究職には大学院卒の人を充てることから、積極的に優遇策をとっているようです。

また大卒総合職の初任給は20万円を少し超えるぐらいなので、平均的な月収ということが出来ます。

 

トヨタとの年収比較

自動車部品メーカーとの比較は次の章で行いますので、ここではトヨタと比較して見ることにします。

 

■ 【トヨタ】事務系・技術系の給料

学歴 初任給
博士課程卒 26.1万円
修士課程卒 22.7万円
大学卒 20.5万円

 

■ 【トヨタ】業務職の給料

学歴 初任給
4大卒 18.65万円
短大卒 16.5万円

ここでの初任給の比較ではほとんど差がなく、スタートは一緒と言えます。

ただし、平均年収では少しだけトヨタの方が高いようですが、それでも、その差は微々たるものになっています。

 

自動車部品メーカー年収比較ランキングでもTOP

世界に冠たる自動車産業を有する背景には、当然、協力企業が厳然としてあるわけで、それらの企業の部品があって、初めて自動車は完成されるわけです。

そして、そのトップにいるのがデンソーです。

そこで、部品点数についてどのような状況になっているのかを見て行きます。

完成品名 部品数
デジタル家電 数百点~数千点
自動車 3万~4万点
小型ジェット 70万点
MRJ 95万点
旅客機 300万点

このように、精密度が上がり大型化されるとそれだけ部品点数が必要になります。

自動車も3万点を超える部品を使用するということで、やはり、多くの企業が参加しています。

その中で、デンソーはトップのポジションにいると言っても過言ではありません。

 

2016年3月期の有価証券報告書による年収比較を見ましょう。

企業名 年収
1位 デンソー 834万円
2位 アイシン精機 710万円
3位 NOK 708万円
4位 東海ゴム工業 702万円
5位 ティ・エス テック 604万円
6位 昭和ホールディングス 682万円
7位 ブリヂストン 680万円
8位 ユタカ技研 677万円
9位 トヨタ紡織 663万円
10位 住友ゴム工業 640万円

どちらかというと、自動車業界は景気の影響を受けやすく、不況になった場合にはメーカーは当然ですが、部品メーカーもその余波を受けることになります。

しかしながら、アメリカ、中国、東南アジアと購買意欲が減退する兆候はないため、好況となっており、それが年収にも好影響をもたらしています。

それでも、自動車部品メーカーの年収は500万円後半が多いようで、当然、平均年収に差が出ます。

特に、自動車メーカー系の企業の年収は高くなる傾向にあります。

そして、管理職になると、1,000万円をはるかに超える年収を得ているようです。

実際に、デンソーの場合では課長職になると、1,200万円以上の年収になるようです。

 

デンソーの福利厚生は?

デンソーの福利厚生については、やはり、人を大事にするということで充実した内容になっています。

 

■ 休日・休暇

  • 週休2日制で、年間121日の休日
  • 長期連休については、GW、夏季、年末年始の3回、それぞれ10日間程度
  • 有給休暇については20日(年間最高)

 

■ 社宅・独身寮

  • 全国の事業所に所在地に合わせて、社宅・独身寮があります。

 

■ 自動車購入制度

  • 車両購入資金の貸付制度、自動車メーカーのデンソー社員向けのキャンペーンの活用

 

■ その他の福利厚生制度

  • デンソーカフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)
  • 持ち家促進のための住宅財形貯蓄制度、住宅資金貸付制度
  • 持ち株制度(デンソーの株式購入)
  • WELL・Net(ウエル・ネット―ライフサポート)
  • 家族手当、住宅手当

 

■ 育児支援

  • 育児休暇・・・ 通算3年、小学校卒業までサポート
  • 短時間労働・・・1日6時間4年間継続、小学校卒業までサポート
  • 時間外労働免除・・・小学校入学まで
  • 時間外労働制限・・・月24時間、年間150時間、小学校卒業までサポート
  • 子供の看護休暇・・・小学校入学まで、子供1人年間5日、2人年間10日、それ以降は子供の人数に関わらず5日、小学校卒業まで

 

社員のモチベーションが上がる「昇給制度」!!

人を大切にすることを全社的に行っている現れが、社員の目標管理、キャリア形成にあります。

毎年、上司が育成計画定期面接をおこなうことで、社員のキャリア形成を手助けします。

それから、T2~M0までの職能資格があるので、それに応じた評価がなされ、社員全員の昇進・昇給が決められています。

 

デンソーの社員間の評判

社員間の評判を整理すると、下記のようなことが挙げられます。

  • 会社の安定性
  • 年収・給与、ボーナス
  • 人事制度・評価制度
  • 雇用の安定性
  • 教育・研修
  • 労働時間・勤務時間・残業
  • 福利厚生
  • 休日・休暇
  • 仕事のやりがい・キャリア
  • 仕事を通じた成長性
  • 成長性・将来性

例えば、日本の経済を支えてきた電機業界が早期退職や事業縮小などを見せている中で、会社が自動車関連以外の分野にも進出していることから、将来性を見たうえで「チャレンジのし甲斐がある」と感じている人が多いようです。

 

プラス、マイナスの両方の意見を挙げておきます。

 

プラス面の意見

  • トヨタグループの企業
  • 技術力・品質力がある
  • 時代相に合わせた開発を行っている
  • 安定感がある
  • 待遇が良い
  • やりがいのある仕事ができる
  • 女性に対して働きやすい環境を考えている

 

マイナス面の意見

  • トヨタへの依存性が高い
  • 年功序列
  • 体質がぬるま湯、古い慣習がある
  • 人材育成にもっとチャレンジするべき
  • 必ずしも売れる製品作りになっていない
  • 残業が毎日、社員が無理をしている
  • 人事評価は上司次第、上司は自分を守るのに汲々
  • 人が多い

 

業界トップを行くデンソーであっても、社員の見方には甘口もあれば辛口もあります。

誰もが満足する状態になることはあり得ないことですが、企業人としては精一杯自分に与えられた仕事をやり遂げることが大切です。

 

多くの場合、会社の業績が良い場合には仕事上のマイナス面はそんなに目立ちませんが、会社の状況が悪くなると、仕事上のマイナス面が一挙に浮彫りにされざるを得ないでしょう。

日常、どのような態度で仕事に臨んでいるのかが、すぐに問われることになりますので、そのことを意識しておく必要があります。

 

デンソーは、ネットの時代のITへ

アメリカ、中国は自動車業界にとってはビッグな市場になっていますが、市場は新興国へと拡大する一方で、地球環境への配慮から化石燃料を主体とした動力が、電気モーターへと変化する兆しが色濃く見られます。

 

デンソーの事業構造は1/3が化石燃料のエンジンということで、今後の自動車ビジネスの技術転換が環境志向になると、それに対して果敢に挑まなければなりません。

仮に電気モーターということになれば、自動車部品メーカーではなく電機メーカーの参入も考えられるわけで、油断できない状況になる可能性もあります。

 

現に、トヨタのこれからのライバルはGoogleという指摘もあるぐらいですので、デンソーでもIT、AI、クラウド、ソーシャル、ビッグデータ、ICT、そしてIoTなどをビジネス・スキルとして、開発業務に採り入れるスタンスを見せています。

 

キーワードは、「ホストの時代のITから、ネットの時代のIT」に、いかにシフトさせるかにあるようです。

 

そのため、技術・研究職の社員を随時募集していますので、就職を希望する人は転職情報を参考にするといいですね

 

まとめ
  • デンソーはトヨタ系でありながら独立系
  • 年間のグループの売り上げは4.5兆円、従業員は全世界で150,000人、グループ会社は200社
  • デンソーの強みは、研究開発、生産、品質保証、人(社員)
  • デンソーは自動車部品メーカーの中で、平成27年度の年収はトップの834万円
  • 大卒の初任給は20万円を少し超えるぐらいで普通
  • 25歳の平均年収は540万円と高い
  • 福利厚生の育児支援は手厚い
  • 社員のモチベーションアップに繋がる昇進・昇給制度
  • ネット時代にITを武器に積極的な攻めの姿勢

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