高い利回りはどっち?インデックス投資と不動産投資の違いを解説
老後の備えや万が一の病気や事故、子供の教育費など、貯蓄は多ければ多いほど安心なものではないでしょうか。
しかし、毎月少しずつ銀行口座預金で貯めていても、大きくお金が増えることは期待できません。
それなら、資産運用をしてより大きく貯金をふやしてみましょう。
そして、資産運用には種類がさまざまにあり、例えば信託報酬を払って運用してもらう投資信託、インデックス投資や不動産投資などがあげられます。
それらにはどのようなメリットがあり、高い利回りがあるのはどれなのでしょうか。
ここでは、インデックス投資と不動産投資の違いなどについて解説します。
Contents
インデックス投資とは
インデックス投資は、投資信託やETFの世界では最も高い評価がされている運用方法です。
アメリカでは主流の方法でしたが、日本ではマイナーなものでした。
しかし、少し前からその合理性に気づき、インデックス投資を始める人も増えてきています。
インデックス投資とは、日経平均225・TOPIX・アメリカのダウ指数のような市場の動きを表す特定のインデックスと連動した値動きを目指す投資です。
さらに簡単に説明すると、市場の平均値の値動きと同じような動きを目指して行う投資を言います。
そして、インデックス投資のメリットは、運用に人手がかからないためコストが低い点です。
市場の値動きに合わせて行うだけなので、販売手数料や人件費を抑えることが可能になります。
具体的にインデックス投資を行っている企業の紹介を見てみましょう。
セゾン投信では、ローコスト・ハイクオリティ評判のバンガードのインデックス投資を通じて、世界の株式と債券に分散投資をします。
これは、世界30か国以上の株式と10か国以上の債権の取り扱いがあり、リスクを分散させて安定した投資になるメリットがあります。
不動産投資とは
不動産投資は不動産に投資して、その運用により利益を得る方法です。
簡単に説明すると、土地や建物の売買での差益や土地・マンションやアパート・借家などを貸すことで得る家賃収入で、利益を手にするやり方です。
土地建物のオーナーというと、昔からの大地主が空いた土地で行っているというイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、最近ではサラリーマンでも投資のために不動産を購入したり、マンション・アパートのオーナーとなって運営して家賃収入を得たりすることが可能となっています。
金利の低い貯蓄を少しずつ行うよりも思い切って不動産を購入し、それを上手に運用して、収益のあがる仕組みを作ることで老後などに備えるという方法です。
成功すれば、今の仕事を定年退職したあとも不動産からの安定した収入が見込めるため、老後の生活費も安心と言えるメリットがあります。
その一方で、賃貸経営には建物の修繕積立金の準備や、マンション・アパートの場合、常に全戸埋まっているとは限らないデメリットもあることを知っておきましょう。
不動産投資へ興味を持つサラリーマンが増えていることから、投資向け物件を扱っている不動産会社や、その後の管理を請け負う会社が広く宣伝するようになりました。
物件の大きさや立地なども非常に幅が広いため、自分の投資可能な金額から目標を立てて購入することが可能です。
オーナーを目指す人向けのセミナーなども開催されているので、不動産投資初心者も情報収集もしやすい環境になっています。
管理会社の力を借りれば全て自分で運営するわけではないため、デメリットに対するサポートも受けられ、安心の不動産運用ができることでしょう。
インデックス投資と不動産投資の関係性
一見全く別物に見えるインデックス投資と不動産投資ですが、そこには共通点も存在しています。
それではインデックス投資と不動産投資の共通点と相違点をご紹介します。
共通点
まず不動産投資は購入してすぐ大きな利益が出るようなものではなく、長期に渡って利益を得ていくものです。
老後に備えた資産という面も持っていることから、短期間で売買して利益を出しにくい投資方法になります。
一方、インデックス投資についても市場の平均値を追っていく方法のため、急に大きく儲けが出るということはあまり期待の難しい投資方法です。
どちらの投資方法も、長期間に渡って様子を見続けていくことが、より大きな利益につながると期待されるところに共通点があります。
相違点
インデックス投資と不動産投資の違いは、世の中の経済状況の変化によって現れてきます。
まず、経済がデフレの状態にある時は市場経済の動向も下がっていくことになるので、平均値がさがり、インデックス投資も金利が低くなる傾向にあります。
そのため、受け取る利益が少なくなってしまうでしょう。
しかし、デフレの時不動産投資は逆にメリットがあり、それは金利が下がることで借入もしやすくなり返済額が下がることです。
なぜなら、政府は経済をよりよくするために、こうすることで借入をしても利子が少なく済むため買い物をする人が増えると期待されるからです。
不動産投資にかけるお金も利子の下がった分費用を抑えて取得できるメリットがあり、景気の良くなった時に不動産を売却すれば利幅が広がることも期待できます。
それから経済がインフレの状態になっているとインデックス投資も市場経済と同じように上向きになるため、利益が大きくなると考えられます。
その時の不動産投資は、政府が少しでもお金が世の中に流れ出ることを防ごうとして金利を高くし、預金を積極的に行い借入は控えるように促します。この時に不動産投資をすると返済金利が高い状態になるためデフレの時よりも多くの費用がかかってしまうのです。
このように経済状況がインフレかデフレかによって、インデックス投資の方が利益をあげやすい、逆に不動産投資の方が利益をあげやすいという対照的な状態になります。そのためどちらか一方だけの投資を行うよりも、リスクのことを考えてどちらもあわせて行っておくという投資の方法もあります。
高い利回りはどちらか
経済の状況によってインデックス投資と不動産投資のどちらかが利益を大きくなりやすいとわかりましたが、それではより利回りが大きくなるのはどちらでしょうか。それぞれの利回りを比較してみましょう。
インデックス投資
インデックス投資の利回りは平均して年5~6%ほどと言われています。
例えば毎月5万円の積み立てをしたとして25年続ければ3500万円になることが期待できるのです。しかもインデックス投資は年々進化しており、5年前と比較すれば投資先の種類も豊富になりより安定した投資が可能となっています。それだけでなく販売手数料0円、信託報酬年率0.5%前後というコストもとても低くなっている状態です。
インデックス投資の利回りの良さはもちろんですが、さらに安定性やコストの低下が加わればより大きな利益が期待できるようになるでしょう。これからもより進化することが予想されるならインデックス投資は高い利回りが期待できると言えます。
さらに住信SBIネット銀行などで取り扱われているハイブリッド預金を利用するとより好金利での円預金が可能になることが期待されるので、こちらも合わせて行うとお得でしょう。
ちなみにリスクをコントロールして少額で運用を続けたい場合にはグローバルバランス型ファンドが向いています。リスクを分散させて投資を行いますが、さらにリスクの水準を自分で選ぶこともできるより安心感を持ちやすい方法です。
不動産投資
不動産投資での利回りは購入時の価格や年間満室時の賃料を元に導き出されます。
例えば都心部にある建物の場合、常に入居者がおりいつでも入居を希望する人がいる状態のため賃料の値上げも期待できるでしょう。好条件がそろったマンションなどであれば転売する時も高額になるはずです。
しかし、郊外の不便な立地にある建物ではなかなか満室にならず賃料アップはさらに入居者が減る恐れがあってできず、売ろうとしてもあまり期待が持てないでしょう。
ですが都心部で利回りが高かったとしても、同時に大きなリスクも抱えることになります。例えば満室にならなかった時は大きく利回りが下がることになり、購入のためにローンを組んでいれば返済が大変になってしまうこともあるでしょう。利回り14%という一例もありますが、あくまで満室になっていた状態での計算であって、空室が出ればその数字は下回ることになります。
利回りを理解して投資を始めよう
市場の平均値をまねることで取引を進めていくインデックス投資と、不動産の運用により利益を得ていく不動産投資をあらゆるポイントから比較しました。
全くどちらかが良い、と言い切れるものではなくどちらもメリットとデメリットを持っているということになります。
そのため、上手に2つを合わせて投資を行っていくことがより賢く安定した投資を続けるコツになるのではないでしょうか。
どちらもサラリーマンをしながら副業としてチャレンジすることも不可能ではない投資なので、知識を増やしてから始めてみてもよいでしょう。
・不動産投資とは、土地や建物の売買、賃貸などで得る家賃収入で利益を手にする投資である
・インデックス投資と不動産投資の共通点は、長期間かけて、より大きな利益を期待するところ