【50代から考える】ゆとりある老後を送るために必要な平均貯金額
体力もあり、仕事が見つかりやすい20代、30代のころと比べ、50代では老後資金について真剣に考える機会が多くなります。今50代であれば、退職後にどれだけゆとりのある生活ができるかは今にかかっているといえるでしょう。
とはいっても、50代から考える老後の貯金ということであれば、今から貯められる額にも限度があるでしょう。そこで、老後の平均貯金額や今からどれくらい貯めておけば大丈夫かなど、気になるのではないでしょうか?ここでは、50代から考える老後の貯金額について掘り下げていきます。
Contents
老後の平均貯金額
平成29年5月に公表された総務省の家計調査報告によれば、老後の貯蓄の平均値は2363万円。ちなみにこれは2人以上の世帯の統計です。その内訳は、通貨性預貯金が461万円、定期性預貯金が1078万円、生命保険などが409万円、有価証券が405万円、金融機関外が10万円となっています。
老後の貯蓄額は3000万円あった方がいいとか、人によっては6000万円必要だとか、いろいろな意見があります。しかし、世の中の老後貯蓄額の平均値を見る限り、二人で2300万円程度あれば大丈夫なようです。現在と同じくらいの金額の年金がもらえるなら、必要貯金額はその程度だといっても良さそうです。
老後の生活費は退職金で賄っている世帯も多いようです。総務省統計局が平成29年2月に公表したデータによれば、企業年金と退職一時金を合わせた退職給付額は民間企業で24,596,000円、公務で25,377,000円ほどとなっています。ただし、規模の小さい企業だと退職金が支払われないこともあるので一概には言えません。
もしもこれくらいの額の退職金がもらえるなら、老後の貯金額のことでそれほど頭を悩ます必要はなさそうです。自分が働いている会社から、いくら退職金が出るのかは、就業規則に書くことが定められています。老後の貯金についてできるだけ早いうちに計画を立てておきたい方は、退職金の有無も早いうちに確認しておきましょう。
50代が注意すべき老後のリスク
老後の貯蓄額について考えるにあたって、発生するかもしれないリスクについて予想しておくのは良いことです。今のうち、リスクにも備えをしておけば、あとで慌てることはないでしょう。
インフレ
今から20年後、30年後、インフレで生活しにくくなっている可能性もありますね。インフレを考慮して貯金しておけば安心です。政府・日本銀行はインフレ率2%を目標にしているので、それで計算して目標貯金額を設定しておきましょう。
長生き
2016年7月に厚生労働省が発表したデータによれば、日本人男性の平均寿命は80.79歳、日本人女性の平均寿命は87.05歳です。しかし、健康で充実した生活を送っていれば、平均寿命に達したとしても誰も死にたいとは思いません。90歳、100歳まで生きられるように健康管理をしたいもの。
しかし、高齢になるにしたがって、病院通いが多くなるのが一般的です。残念ながら医療費は若いころよりもかかってしまいます。できるだけ元気に長生きすることが理想ですが、医療費として必要になる分もある程度見込んでおきましょう。
晩婚
最近晩婚化が進んでいます。60歳、70歳になって結婚するシニア婚をする人も増えています。50歳まで一度も結婚しない人の割合を「生涯未婚率」といいますが、50歳を過ぎてから結婚する人もいます。
退職してから結婚する場合、相手が生活にゆとりのある人なら問題ありませんが、そうでない場合もありますね。たとえ今独身だったとしても、夫婦でやっていけるくらいの生活費を貯めておいた方がいいかもしれません。
結婚する相手によっては子どもがいて学費が必要になるというケースもあります。「あるかもしれないこと」についてあれこれ考えてもきりがありませんが、少なくとも結婚する可能性について考えてみるのは良いのではないでしょうか。
金銭感覚
もともと節約が習慣になっている場合は問題ありませんが、そうではない場合もあります。会社勤めをしていたころに贅沢な暮らしをしていた人は、老後に節約をしようとしても、金銭感覚がすぐに変えられず、うまくいかないことがあります。老後は節約する予定なら、退職前にすでに節約の習慣を身に付けておくことをおすすめします。
たとえば、費用に限度をもうけてやりくりすることを学びましょう。会社勤めをしていたころは、衝動買いをしても何も支障はなかったかもしれません。しかし、年金生活となれば、衝動買いは禁物です。そんなことをしていたらすぐに貯金が底をついてしまいます。突然生活費の上限を大きく下げるとリバウンドしてしまうので、少しずつ下げて慣れさせていきましょう。
リスクに対する心得
以上のようなリスクに上手に対処するためには、50代からでも資金運用を始めるというのも1つの手段です。投資信託や定期預金は10年単位のものもあります。今から始めれば、ちょうど退職のころに満期になります。資金運用で上手にお金を増やしましょう。
また、ポイントサイトに登録して地道にお金を稼ぐ方法もあります。ポイントサイトでのお小遣い稼ぎでは、大金を儲けることはできないでしょう。しかし、退職してお給料が入らなくなれば、ポイントサイトで稼ぐ数百円もとても貴重です。
せっかくなら今から登録しておき、ヒマな時間を有効活用しましょう。趣味のような感覚で楽しくお金が貯められます。貯めたポイントは何か自分を楽しませることに使ってみてはどうでしょうか?老後の節約生活にゆとりを持たせることができそうです。
50代が老後に向けて必要な事
50代に差し掛かると、退職後の生活に現実味が出てきます。老後の生活費について本格的に考えなければなりません。どのようなことを考える必要があるでしょうか?
退職金の有無
退職金は法律によって定められているわけではないので義務というわけではなく、退職金を出さないことにしている企業もあります。特に、小さな企業では退職金が出ないことがあるようです。退職金をもらえると思っていたのに支給されなかったということがないように退職金有無を確かめておきましょう。
日本経済団体連合会が2017年6月に公表したデータによれば、退職一時金制度と退職年金制度を併用している企業は全体の71.7%、退職一時金のみは13.4%、退職年金制度のみは11.7%、その他3.2%となっています。ほとんどの企業は退職金を支給しているものの、その形態はさまざまです。
自分は退職金をもらえるのか、また、いくらもらえるのかは重要な問題です。それによって、老後の目標貯金額が数100万、1000万円という単位でちがってきます。これは大きな問題ですから、さっそく会社の就業規則を確認しておきましょう。
年金の見込み額を調べる
厚生労働省が公表している資料から、現在の年金額を調べてみましょう。平成28年度の新規裁定者の標準的な年金額は、国民年金で月額65,008円/1人分、厚生年金で月額221,504円/夫婦2人分(老齢基礎年金を含む)です。
公的年金の受給者数は年々増加しており、支給される年金額は減少傾向にあります。また、これまでに支払ってきた金額により受け取れる額が異なります。自分の基礎年金、年金受給額を調べ、いつごろからいくらぐらい受け取れそうなのか確認しておくとよいでしょう。
住居の確保
生活費の中で一番大きなウェイトを占めるのは住居費です。賃貸に一人で住む場合、家賃相場が6万円前後だとすると、年金はほとんど家賃にもっていかれてしまいます。年金を食費や好きなことに使うため、住居は何とかして確保しておきたいものです。
田舎の中古物件なら、数百万円で手に入ります。少し勇気がいりますが、住居さえあれば安心なのではないでしょうか?安心して過ごせる老後のために、今のうちに住まいを購入しておくのは賢い選択といえそうです。古い物件でも、リフォームすれば気持ちよく過ごせます。
老後のゆとりのためにも計画性ある資産運用を
いかがだったでしょうか?ここでは50代から考える、ゆとりある老後を送るために必要な平均貯金額について掘り下げました。今後の年金の見通しや退職金がいくらもらえるかなどを予測し、余裕を持った老後を計画したいものです。
ある程度資金が貯まっているなら、さっそく資金運用をして資産を増やすのもよいでしょう。投資信託、株式投資など、ローリスクローリターンな金融商品だったとしても、少しでもお金が増やせれば大成功です。貯金額にゆとりがないなら、投資で損はしたくありません。その場合、元本保証が付いている金融商品がおすすめです。ゆとりある老後のために今から備えておきましょう。
・老後の生活費は退職金で賄っている世帯も多い。退職金の有無は早めに確認したい。
・年金受給額を前もって確認しておきたい。
・50代から老後の貯金を始めるなら、資金運用で資産を増やすとよい。
・住居を確保しておけば、老後の生活費はかなり削れる。