太陽光発電投資 vs 不動産投資
太陽光発電投資と、不動産投資、いったいどちらが良いのでしょうか。
色々な観点からそれぞれを比較してみましょう。
発電収入 vs 家賃収入
<不動産における家賃収入>
不動産投資で収入というのは、主に家賃収入です。建物があり、入居者がいて、家賃の支払いがあって初めて収入になります。長期間安定的にキャッシュフローを生み出す投資として、現在個人投資家の方々から大人気な投資です。ただし、不動産投資の収入に関してリスクもあります。
一つ目は ”空室リスク”です。
以下の場合、収入が入りません。
・建物が古くなったり、周りの環境が変化して、空室となった場合。
・入居者がいても支払が滞った場合。
建物は時間とともに経年劣化していき、見た目が古くなるとどうしても新しい建物に入居者も引っ越しする可能性があります。また、家賃の支払いにルーズな入居者がいると、家賃の回収が大変です。入居率が80%を下回ると危機的状況です。
二つ目は ”家賃の見直し”です。
空室になってから、次の入居者が決まらなければ家賃の見直しをしなければなりません。建物は年々古くなっていきますし、新しい建物がどんどん建設されていきますので、よほどの人気物件でない限り家賃は下げていくことも覚悟しなければなりません。
この場合、当初予定してた収入から大きく減額する可能性があります。購入する前に空室リスク、家賃減少リスクを予め織り込んでおくのがベストです。
<太陽光発電における発電収入>
太陽光発電は、太陽の光がパネルに当たれば発電します。そこで生まれた電力を電力会社が買い取って、毎月口座に振り込んでくれます。発電した電力の売電単価ですが、こちらは国で決められた単価で20年間保証されております。つまり、不動産投資における”家賃見直しリスク”が無いという事です。
不動産投資における “空室リスク” に該当するものは、太陽の光がパネルに当たらなくなると言うことです。南側にタワーマンションが建設されて、光が全く当たらなくなれば、発電は止まって収入はほとんど入りません。土地の選定は非常に重要ですね。都会で太陽光発電の設置は絶対に辞めておいた方が良いです。田舎で周辺の開発が当分無いような地域がベストです。
総工費は?太陽光発電 vs 不動産投資
不動産投資は建物購入費用、土地代金、仲介手数料、不動産取得税、火災保険料、登記費用等々。
一方、太陽光発電は太陽光発電設備購入費(設置費用は含みます。)土地代金、融資先が信販会社でない場合は火災保険料。
ランニングコスト
<不動産投資>
・管理費用 入居管理、家賃回収管理を専門の管理会社に委託している場合、通常家賃収入の5~10%ほどかかります。家主自身で行うのも可能ですが、非常に手間がかかり面倒です。
・修繕積立費用 建物は経年劣化で年々古くなりますので、将来における大規模修繕にむけて積立を行います。
・広告費用 毎月ではありませんが、退去者が出る度に新しい入居者を探さなくなてはなりません。不動産屋さんに頼んだ場合、家賃の1~2ヶ月分の広告費用がかかります。
・クリーニング費用 退去者の方が出る度に行います。最近の入居者は特に清潔感を大事にされるので、腕の良いクリーニング会社を見つける必要があります。
・リフォーム費用 毎回ではありませんが、退去者の部屋の使い方が荒かった場合、壁紙のクロス張替え、畳の表替等、費用を掛けないと見栄えが悪くなる場合があります。
<太陽光発電>
・パネルチェック パネルに鳥の糞など大きな汚れがないかチェックします。糞を長期間放置すると、発電低下の原因になります。
・パワコンチェック 電力変換機であるパワーコンディショナーをチェックすることにより、発電が正しく行われてるかどうか分かります。
・草刈り 土地の上に太陽光発電を設置してる場合、雑草処理は非常に重要です。たまに雑草が生え放題でパネルより高い位置まで伸びてるケースが有ります。その場合は発電が減少するので危険です。
上記全て含めて年間収入の5~10%程度が費用として必要です。
トラブル
<不動産投資>
・設備の修繕
一番多いトラブルは設備です。不動産投資において、貸してるものは部屋だけではなく、付随する設備も貸していることになります。
給湯器やエアコン、キッチン、トイレや風呂の設備、インターホンや建具にいたるまで、不具合があると入居者から連絡が入れば、大抵の場合直さなければなりません。「そのままでお願いします。」とはいきませんので、その度に修理費用がかかります。
・人間関係
「隣の部屋がうるさい」「ごみ出しのスケジュールを守っていない」等入居者同士のトラブルがあります。放置してると不満に思った入居者が出ていきますので、早急に公平な立場で解決する必要があります。
<太陽光発電>
・特に無し
太陽光発電の場合、キチンとした業者であれば、工事前に住民説明会等で地域の方に説明をしているので、発電開始後大きなトラブル等は特にありません。もちろん適切なメンテナンスを行っていなければ、雑草生え放題で近所の方からクレームが来ます。また、パネルの汚れで発電力の低下にも繋がりますので、キッチリとしてメンテナンス会社に委託することが重要です。
税金
<不動産投資>
・消費税
購入した建物部分に関しては消費税がかかります。土地は非課税です。
・不動産所得税
購入した時に不動産の金額に取得税がかかります。
・固定資産税
所有する土地、建物に対して、毎年固定資産税がかかってきます。
不動産賃貸によって得た所得は「不動産所得」として、課税の対象になります。
実際に支払った修理費や不動産会社に支払った管理費、広告料等は経費計上ができます。
建物部分は減価償却費として経費計上できます。
<太陽光発電>
購入時に太陽光発電設備に対して消費税がかかります。購入した土地に対しては不動産取得税。そして毎年固定資産税がかかってきます。土地としての評価は低いところが多いので、それほど多額になることはありません。また、設備は償却資産に該当しますので、法定耐用年数の17年間にわたって固定資産税がかかります。ただし、平成28年度末までに新たに認定を受けた再生可能エネルギー発電設備は、はじめの3年分の課税額が3分の2に減額される特別措置があります。
また太陽光発電によって得た所得は「雑所得」として、課税の対象になります。
太陽光発電の支払う経費はメンテナンス料金くらいですが、実際に支払う経費ではなく、減価償却費としても経費計上が可能です。法定耐用年数が17年ですので、総額を17年間で償却する事ができます。これで売電収入の半分以上は経費として計上できますので、かなり節税になります。
また、生産性向上設備投資促進税制により50%償却が可能になる制度もあります。
消費税
消費税の原則は、預かった消費税(課税売上高に対する消費税)から支払った消費税(仕入等に対する消費税)を差し引いた額で求めます。
不動産投資に関しては購入した建物部分には消費税がかかっていますが、それで得られる賃貸収入が非課税なので、課税売上割合(総売上高に占める課税売上高の割合)が95%以上である場合を除き、原則として還付の対象となりません。賃貸収入には税金がかからないので、不動産購入時に支払った消費税が二重に徴収されることにはならないためです。
太陽光発電の場合はどうでしょうか。
新しく太陽光発電事業を始めた個人は、売電収入が1,000万円を超えない限り売電収入の消費税はそのまま収入にできます。
しかし、事業主として届出をして、あえて課税業者になる場合は消費税還付という大きなメリットがあります。高額な太陽光設備の消費税の額は大きな金額になりますので、かなりの還付が受けられることになります。
税金は支払うもの、支払わなければいけないもの・・・と思っていませんか。
太陽光発電投資は消費税の還付という大きなプレゼントもあります。
太陽光発電投資 vs 不動産投資 いかがでしたか。
太陽光発電投資。
長期の安定した収入とランニングコストの少なさ、煩わしさも無く、税金上のメリットも多い。
デメリットを見つける方が難しいように思われます。